生活的道楽 奥井禮喜(ライフビジョン代表)

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 中東問題 
2017.06.24 No.0624145006 

 イエメンでは、2011年の騒乱から内戦が続いている。

 1978年から強権独裁政治をやっていたサーレハ大統領の後、2012年にハーディー大統領に変わった。

 これに対してサーレハと組んだフーシ派(シーア派=イランが支援)が16年に救国政府を作り、2つの政府(派)が対立抗争している。さらにアラビア半島のアルカイダ(AQAP)の支援を受けたアンサール・アル・シャリアが加わって三つ巴の内戦になっている。

 一時劣勢だったハーディー政府が、サウジアラビア(=アメリカが支援)を中心にスンニ派のアラブ諸国の援助で大攻勢をかけている。

 イエメン人口は2,800万人、すでに1万人が死亡、市民生活は極めて悪い。さらに、コレラが発生という大変な状況にある。

 過日、中東訪問したトランプが、中東各国に対してイランとの対決を焚きつけた。

 このほど、サウジアラビアでは、イエメン内戦を大きくしたサウジ王の息子サルマンが皇太子になった。イランと資源開発で共同しているカタールを切ったのもサルマンである。

 中東の戦火はなかなか収まる気配がない。


 よくよく考えよう 
2017.06.23 No.0623170732 

 韓国の文在寅大統領は、なんとかして北朝鮮との対話の糸口を作るべく努力している。

 韓国の大手新聞社は懐疑的で、要するに制裁強化路線である。アメリカや日本と同じだ。

 なるほど北朝鮮の行動は孤立を深める以外のなにものでもないから、制裁論一本槍になりやすいのは無理からぬかもしれない。

 周辺国が高飛車に出れば、北朝鮮が降参するだろうか?

 制裁一本槍でいけば、結局は、北朝鮮は自爆的行動に出るしかない。冷静に考えなければならないのは、そのような行動に追い込むことが、どんな事態を招くかという問題である。

 文在寅大統領や、中国が制裁に慎重論を唱えるのは、大きな意味をもっている。制裁論で思考停止するのが、もっとも危ない。


 東西比較 
2017.06.22 No.0622111044 

 フランスのマクロン政府の閣僚4人が辞任した。直ちに改造だ。公金使用問題のスキャンダルらしいが、わが国とは異なって! 処置が早い。

 わがほうでは、今国会が、モリ・カケ問題に時間を取られたという正論? があるけれども、その原因を作ったのは安倍氏を筆頭に政府与党だということを見失ってはならない。

 イギリスでは、女王の議会演説(内閣の施政方針演説)が10分ほどの短いもので、内容がないとの批判が起こっている。

 『The Times』は、メイ内閣をゾンビ政府の抜け殻だとまで評している。わがほうもゾンビ政府であることは間違いない。


 法治国家 
2017.06.21 No.0621142552 

 カント(1724〜1804)は「人間が支配せず、法が支配するところに自由がある」と指摘した。

 「法治国家」の意味が、短い言葉で見事に表現されている。

 モリ・カケ騒動が続いているが、法に基づき、法を解釈し、法を適用する行政が、その一連の行動において、手前勝手にやるとなれば、体面は法治国家でも、実質は法治国家ではない。

 法治国家でなくなれば、やがて国民諸兄の自由が奪われていく。

 だから、モリ・カケ騒動は、単なる倒閣問題ではなく、わがデモクラシーを守らんがための課題と直結しているということを忘れたくない。


 万言空疎 
2017.06.20 No.0620084540 

 「対応が二転三転して不信招いた。率直に反省しなければならない------」(prime ministerの記者会見)

 反省だけなら猿でもできるというセリフが一時期流行った。

 かのニーチェ(1844〜1900)は、「かつてあなたがたは猿であった。だが、今もなお人間は、いかなる猿よりも以上に猿である」(『ツァラトゥストラはこう言った』)と痛烈な記述を残した。

 おそらく反省という言葉は、A氏の語彙にはないであろう。

 政治家の言葉が信用できない時期になっていますねえ。


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